趣旨
ここでやってたことのつづきなんですが…。
映画だけでなく美術や舞台芸術、いろんなアートについて書いていきたいです。 つけては途切れ、長いブランクがあってまた始まり…といった気まぐれな日記ですが、まぁよろしく。 *参考リンク* jaja(わたしの本拠地) reckless lectrice(本,DVD,CDなど) jajaの映画のページ(昔の記事) *****おことわり***** 半角英数記号のみのコメント、トラックバック、およびこのブログ( http://jaja.exblog.jp/)へのリンクが元記事に存在しないトラックバックは、受け付けない設定になっています。スパムよけのやむを得ない措置なので悪しからず。 基本的にコメント、トラックバックは大歓迎です。上記設定にご注意のうえ、見知らぬ方もどんどん書き込んでくださいね! カテゴリ
日本映画 中国・香港映画 韓国映画 その他のアジア系言語 中近東の映画 英語の映画 スペイン語の映画 フランス語の映画 イタリア語の映画 ポルトガル語の映画 ドイツ語の映画 ロシア語の映画 その他のヨーロッパ系言語 監督 俳優 音楽 ダンス 演劇 美術 その他の芸術 以前の記事
2007年 07月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 04月 2004年 03月 最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
1
陰鬱なアルモドバル。ゲイの愛憎物語、犯罪物語や少年の成長物語のかたちを借りながらひどく混乱した悲痛な喜劇…。
『海を飛ぶ夢』と同じ日に見て、おなじスペインのガリシア地方なども舞台になっているのですが、こちらは、アルモドバル本来の真摯なまでの不器用さ、あるいはぶきっちょなまでの真情が出ましたな…。痛々しいまでに滑稽な私映画という感じでした。 アルモドバルというひと、前作の『トークトゥハー』Hable con ella (2002) とか『オールアバウトマイマザー』Todo sobre mi madre(1999) みたいにすっきり構成されて筋の通ったウェルメイドな映画つくるときと、コメディなのに笑っていいのやら顔しかめていいのやらわからないような陰鬱な、あるいは混乱した(シゾイドじみた?)映画つくるときとがあって、わたしは前者ももちろん好きだけど(見てるとホッとするので)、後者の作品群(『バチあたり修道院の最後』Entre tinieblas (1983) 『神経衰弱ぎりぎりの女たち』Mujeres al borde de un ataque de nervios (1988) 『キカ』 Kika (1993)など)も、見ていてなんだか非常に居心地悪いけれど凄く惹かれるものがあるのです。(むしろそちらから入ってることもあってそれが本来のアルモドバルの魅力ではないかという気さえする)。 それと、こないだ『コーラス』見たばかりということもあって、こちらの邪悪さと比べれば、あちらがなんとナイーブで脳天気に思えてきてしまうことか!あちらよりもずっと高いキーの出る美声のボーイソプラノの「ムーンリバー」とか、神父らと少年たちの混合チームのサッカーとか、なによりもひどく俗悪で残忍な響きのする「キリエエレイソン」とか…〔主よ我を憐れみたまえ…キリエは『コーラス』のような不良が集まっても善意に支配されている閉域ではなくむしろこういうおぞましい(貴族的尊厳と他者を奪い尽くす愛との)閉域で歌われるべきではないのか?〕。主人公の二人の青年、そのうちの一人のまったく似合わない女装、なんで似合わないのにそんなことするようになったかを遡る似てない/偽装する兄弟…このあたりのモチーフは『インファナルアフェア』のノワールさにも通じるところがあるかな。しかしこちらの色はあくまで(“ゲイ”本来の意味のように)明るく、デヴィッド・ホックニー(映画A Bigger Splash (1974)とか、あるいはセザンヌあたりの印象派を思わせる光と影、こういうのってけっこう陳腐な話なんだろなと思いつつ、笑うしかない不気味さに覆われています。 Directed by Pedro Almodóvar Cast Gael García Bernal .... Ángel/Juan/Zahara Fele Martínez .... Enrique Goded ■
[PR]
▲
by jajaneco
| 2005-04-28 02:04
| スペイン語の映画
愚劣で嘘っぱちな映画でした。それだけならまだしも積極的に害があるんじゃないかと思う…。
ゴールデングローブ賞取ったとかアカデミー賞でも候補になってたとか、そういう評判だけで行っちゃーダメですね。アメリカで話題になったのは、ちょうどアメリカでも「尊厳死」についての論争がかまびすしかったので、タイミング良かったということでしょう。あるいは『オープン・ユア・アイズ』で名を知られ『アザーズ』なんてそれなりの映画も撮っちゃったアレハンドロ・アメナーバル君、すっごく要領が良いということなのでしょうか…。(ちなみにアメリカでの尊厳死論争に関するわたしの考え方はほぼこの人の意見に沿ってます。2005年3月26日付の記事を参照のこと)。 スペインでのこの事件も、そういえば記憶のどこかにあります。ただ、欧米では(この映画のなかでは頭の固い神父が、アメリカでは共和党支持者らがそう言うように)命は「神様」のものなんだから人が勝手にどうこうしてはいけないのか、それともそれに反してリベラリストや尊厳死を推進するひとが言うように個人のものなんだから個人の自由意思によってなんとでもしていいのか、というところにとどまっているのに対して、ほんとは神様とか(あるいは天皇陛下のためとか)超越的なものがどうとかいうのはもう既に決着が着いていて(ついてないひとは勝手に信じればいいことなんだし)、問題の焦点は、個人の自由意思といってホントにそうなのか?自分の生死といっても自分のものではない、自由といいつつ社会から選ばされた選択、周囲から余儀なくされた道、弱い者がそういうところに追い込まれてしまうという構造…そういったところにあるのではないのか?・・・他人の手を借りないと自力では生きられない人生なんて人間としての「尊厳」が無い…と思わされている圧力があるのではないか…? そこまで人を食ってるのなら逆に褒めてあげるけど、この映画は、そういった個人の自由意思の部分を完璧に「自由」であるように楽観的に描くわけ。周囲は愛にあふれた人たちばっかりだし、主人公は幸福で満足しているし、その状態から自由に選ぶ尊厳死だもの、文句つけようがないだろうって。従って、タイトルにもなっている「内面の海」、そして身動きできない部屋の窓の外に広がる光景、その窓から外へ、そして海へと飛んでいくようすが(こういう夢は何度も見ることがあって、その意味ではとてもリアルなのだけど)、CGつかったほんとに人工的な書き割りのようなイマージュなのですね。つまりは、こういう決着は「嘘っぱちなのだ」ということを見せているような…。 Directed by Alejandro Amenábar Cast Javier Bardem .... Ramón Sampedro Belén Rueda .... Julia Lola Dueñas .... Rosa ■
[PR]
▲
by jajaneco
| 2005-04-28 01:27
| スペイン語の映画
1 |
ファン申請 |
||
外部サイトRSS追加 |
||