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趣旨
ここでやってたことのつづきなんですが…。 映画だけでなく美術や舞台芸術、いろんなアートについて書いていきたいです。 つけては途切れ、長いブランクがあってまた始まり…といった気まぐれな日記ですが、まぁよろしく。 *参考リンク* jaja(わたしの本拠地) reckless lectrice(本,DVD,CDなど) jajaの映画のページ(昔の記事) *****おことわり***** 半角英数記号のみのコメント、トラックバック、およびこのブログ( http://jaja.exblog.jp/)へのリンクが元記事に存在しないトラックバックは、受け付けない設定になっています。スパムよけのやむを得ない措置なので悪しからず。 基本的にコメント、トラックバックは大歓迎です。上記設定にご注意のうえ、見知らぬ方もどんどん書き込んでくださいね! カテゴリ
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目の覚めるような出来だった。前作『ザ・ハリウッド』まではもうひとつかなぁ…という感じだったのだが、野村監督、ようやく“代表作”を撮ることができたといったところか。才気走った若い監督らの外連味たっぷりの作品もいいけど、やっぱりこんなふうに丁寧につくられた映画らしい映画もホントにいいと思う。
これは京都以外では公開されるんだろうか?ビデオ発売が同時とはいかにも勿体ない。ジジババの純愛物語では地味過ぎるのかもしれないが、全国的にいろんな人にぜひ劇場で見てほしい。 仄聞するところによれば監督もプロデューサも一度深刻な病に倒れ、そこからなんとか生還してきた経験があったとか。それかあらぬか、監督にとって“渾身の一作”という感がした(一度は消滅しかけた京都映画祭への市民らの思いもこめられているかも…)。だからこそ、死としっかりと向き合って初めて見えてくる純愛の情景が描けたのかもしれない。ちゃちな純愛映画(&ドラマ)流行りの昨今だけれど、このくらいの距離感で(むしろ遠く、淡くみえる)描かれる純愛(そのわりに死の影はかなり濃くグロテスク)をじっくり味わって欲しい。 クライマックスの無音の瞬間へ凝縮していく繊細な音の風景が素晴らしい!そしてこれまた後半「白」の光や布や衣(象徴的に「死」)へと集約されていく、季節季節の微妙な色と光の戯れもまた…。赤いひもが目に痛くぶらさがる不在の座敷は小津の『東京物語』の(尾道の)座敷に匹敵すると思う。 主人公ら(老夫婦だけでなく若いカップルもだけど)の感情的なぶきっちょさに対比させられるのが若い主人公(賀集利樹)のマジックの手つきなんだろうけど、もひとつ、若い女性の立居振舞の美しさ(いまどきめずらしい)にも目を瞠った。山内明日も佳いけれど、重苦しくなりがちな雰囲気へ颯風をもたらすように“粉をかけ”(笑)にやってくる池坊美佳もいかにも京都のええとこに育ったお嬢さんぽくてさすがだなと思う。「やつす」ということばの本来の意味もひさびさに聞いたし…。藤村志保の病が筋肉が徐々に意のままに動かなくなる病気というのも(病のもつ)象徴であるけれど、回想シーンのタンゴはダンスホールで知り合った二人が踊っているにはちとプロ過ぎる(笑)とは思ったけれど、それもあわせて「挙止挙動」「振舞」といった「舞」「動」「止」が、この映画の重要なテーマになっていますね。 藤村志保の演じたようなちょっと依怙地で甘えたで情が深くてしかししっかり者で(元気なときは家をしっかり采配し夫の面倒を見たのであろう)…といった女性像も京都らしいなぁ…。栗塚旭はやや下からあおるように撮った堂々とした顔つき、胸を張って颯爽と歩くあたりが時代劇スターだった頃を彷彿。びっくりするぐらいかっこいい(ユル・ブリンナーもびっくりの)ハゲのハンサム爺になってました。演技はそれほどうまいひとではないけれどむしろその朴訥な感じが京都の伝統職人役によくはまり、袴や着物や珈琲が似合ってたなぁ…。 ところでこの映画につかわれたロケ地が京都文化博物館(別館)と三条のアートコンプレックス。先に見た『パッチギ!』でつかわれたのが京大西部講堂に八千代館(建物と観客が(笑)やたらとクラシックなピンク映画館です)ってのは、同時期に公開されたこの2本の京都映画の描く異なった京都の風景をまんま代表してておもしろい(笑)。どっちが…というのでなく、このふたつをあわせれば、それがちょうど京都のカルチャー(サブカルチャー)シーンになるような…(笑)。鴨川沿いの風景はどっちの映画にも出てくるけど、そのちがい(時代背景もちがうのだが)にもご注目。そういえば梨木神社(主人公が水を汲むとても静謐な、重要なシーンがそこで撮られている)も、時代がちがえばタイヘンだったのだ。 もとフォーク・クルセダーズの加藤和彦が『パッチギ!』に音楽監督として参加していれば、こちらには北山修(きたやまおさむ)が、かつて「帰ってきたヨッパライ」の歌で演じた“天国の神さん”とか同名の映画で演じた役そのまんまの、とっても大根な台詞まわし(笑)で友情出演しているのも微笑ましかった。 そういえば大島渚の『帰ってきたヨッパライ』は、韓国・朝鮮(人)映画だったもんな。その大島(病に倒れたと聞いて長いが…)が撮ったとてもとても美しいドキュメンタリー映画“Kyoto, my mother's place”には、かなりストレートに衒いのない(まつわるいろんな意味をふっきった)美しい桜の堤の映像が出てくるのだけど、『TURN OVER 』はこちらにもまた響きあう〔だから鴨川が桜でいっぱいになる見ようによっては国粋的な(?)シーンも耐えられる〕。やっぱりふたつをあわせれば、「京都」になるわけだ…。〔そうおもえば『パッチギ!』の壮行会シーンもあの当時よくあったような(今でもある?)円山公園の桜の樹の下の白い朝鮮服の一団…みたいなイメージを配しても良かったのではないか?…とか。そりゃ無いものねだりか〕。 http://turnover.main.jp/introduction.html Turn over 天使は自転車に乗って 監督・脚本 : 野村惠一 出演 : 藤村志保 栗塚旭 賀集利樹 山内明日 池坊美佳 by jajaneco | 2005-02-02 23:45 | 日本映画
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